電動ドリルとインパクトドリルの違い

こんにちは!
電気工事をする私たちにとってとても大切な道具といえば電動工具です。
現場での工具選びは、作業効率や仕上がりの品質に直結します。
特にそれらの中でも「電動ドリル」と「インパクトドリル」はよく使います。
MAKITA(マキタ)の工具は人気が高く、職人さんの多くが使用していますが、他にもHIKOKIやパナソニックなども人気が高いです。
やはり日本のメーカーの工具は高価ですが頑丈でとても使いやすいです。
現場ではよく盗まれたりもしますので、充電したままどこかに行ってしまったりしないように、各社それぞれかなり気を張っています。
さて話を戻して電動ドリルとインパクトドリルについてです。
どちらも穴あけやネジ締めに使用される代表的な工具ですが、構造や使い方、得意な作業がまったく異なります。
今回は、この2つの工具の違いをしっかり理解し、現場での使い分けや購入時のポイントについて解説します。
1. 電動ドリルとは?
電動ドリルは、モーターの回転によってビットを回転させ、木材や金属などに穴を開けることを目的とした工具です。
一部の電動ドリルには、クラッチ機能や速度調整機能がついており、ネジ締めも可能ですが、本来は穴あけ専用です。
電気工事ではホールソーやタケノコドリルと呼ばれる三角形のドリルを付けて、ダクターなどの金属に穴をあけます。
タケノコドリルはインパクト用の物も売っていますし、ホールソーもアタッチメントを付けて振動を抑えてインパクトで使うこともできますが、基本はこのような穴あけは電動ドリルで低速で開けていきます。
インパクトドライバーで振動を与えながらやると、刃やドライバーの寿命が短くなってしまいます。

特徴:
- 連続した一定の回転力(トルク)で作動
- 穴あけに適した安定した回転
- 軽量で持ちやすいものが多い
- 音や振動が比較的少ない
主な用途:
- 木材、プラスチック、薄い鉄板への穴あけ
- 軽作業でのネジ締め
- スリーブアンカーの下穴加工
2. インパクトドリルとは?
インパクトドリル(正式には「インパクトドライバ」)は、回転運動に加えて、打撃(インパクト)を加えながらビスやボルトを締めていく工具です。特に太いビスや長いビスを木材にねじ込む際などに、その力強さを発揮します。
特徴:
- 回転+打撃(トルクの瞬間的な強さ)
- 硬い材料や長いビスも締め込み可能
- ネジ頭を潰しにくい構造
- 音と振動はやや大きめ
主な用途:
- 木造建築での長ビス打ち込み
- ボルト締結(六角ビスなど)
- コンクリートへのアンカー打ち
3. 両者の違いを比較してみよう
比較項目 | 電動ドリル | インパクトドリル |
---|---|---|
主な動作 | 回転のみ | 回転+打撃 |
得意な作業 | 穴あけ、軽作業 | ネジ・ボルトの締め付け |
トルク(回転力) | 比較的弱い | 非常に強い |
音・振動 | 少ない | 大きい |
精密さ | 高い(制御しやすい) | 低い(打撃でぶれやすい) |
4. ペン型電動ドライバーはどちらに分類される?
最近では、ペン型の電動インパクトドライバーもよく見かけるようになりました。
これはインパクトドリルの一種に分類され、軽作業や精密作業に特化した工具です。
主に家具の組み立てや家電のメンテナンス、小さなビスの取り付け・取り外しなどに使用されます。
コンパクトで軽く、扱いやすいです。
ただ普通のインパクトドライバーに比べて、パワーも少し弱いので必要に応じて使い分けます。
電気工事を行う上でのほとんどの作業はペンインパクトでも賄えます。
特徴:
- 腰道具として持ち運びできるのでとても便利!
- ボルト数が小さいのでパワーやトルクが少し弱い。
5. 見た目での見分け方は?
電動ドリルとインパクトドリルは外観が非常に似ており、見分けがつきにくいことがあります。以下のポイントで判別が可能です。

見分け方のポイント:
- チャック(ビットを固定する部分)の形状: 電動ドリルは丸形のチャックで、手で締めるタイプやキーレスタイプが多く、ビットの交換が簡単です。インパクトドライバは六角軸のビットしか差し込めないクイックチャック方式です。
- サイズとバランス: インパクトドリルの方がやや重く、後部に向かって厚みがあります。
- 動作音: 空回ししたときに「カチカチ」と打撃音がするのはインパクトドライバ。電動ドリルは静かで滑らかな回転音のみです。
- 製品表示: 本体に”impact”や”driver”と書いてある場合はインパクト、”drill”と書いてあれば電動ドリルです。
6. どちらを選ぶべき?現場ごとの判断ポイント
現場の状況によって、どちらの工具を使うべきかが変わってきます。以下は、選定時のヒントです。
穴あけメイン → 電動ドリル
- 軽量な本体で長時間の使用に向いている
- 回転速度の調整ができ、素材に合わせやすい
- 正確な穴あけが求められる作業に最適
ネジ締め・太ビス作業 → インパクトドリル
- 高トルクで強力にビスを打ち込める
- 予備穴なしでも硬い材に対応できる
- 建築やDIYなど、構造材の接合に◎
7. 注意点と使い分けのコツ
・ビットの選定
インパクトドリルで電動ドリル用のビットを使うと、ビットが折れたり、変形したりする可能性があります。専用ビットの使用が必須です。
・素材への対応
電動ドリルでコンクリートに穴を開けようとするのはNG。コンクリートにはハンマードリルやインパクト機能付きのものを使いましょう。
・力のかけ方
インパクトドリルは押し込まなくてもネジを締められますが、電動ドリルは押しつける力も重要です。これを間違えると、ビスが空回りしたり、ネジ山が崩れたりします。
8. 結論:両方使いこなせるのが理想
現場では、穴あけとネジ締めの両方をこなす場面が多いため、電動ドリルとインパクトドリルの両方を準備しておくのがベストです。
最近では、2in1タイプやバッテリー共通タイプの製品も出ており、携帯性・コストパフォーマンスの点でも優秀なモデルがあります。
適材適所で使い分けることで、作業効率も安全性もぐっと高まります。ぜひ現場での工具選びの参考にしてください!