ブレーカーの交換って必要?目安とタイミング
電気を安全に使うために欠かせない装置が ブレーカー です。
普段はあまり意識されませんが、家庭や店舗の分電盤の中で「電気の守護神」として働いています。
では、このブレーカーは一度設置すれば一生使えるものなのでしょうか?
答えは NO。長年使用するうちに劣化し、交換が必要になる場合があります。
今回は、電気工事歴20年以上の視点から「ブレーカー交換は本当に必要なのか」「交換の目安とタイミング」について詳しく解説します。

1. そもそもブレーカーとは?
ブレーカーは、電気回路に異常が発生したときに自動的に電気を遮断し、火災や感電事故を防ぐための装置です。
分電盤の中には大きく分けて3種類のブレーカーがあります。
- アンペアブレーカー(契約ブレーカー)
契約電流を超えると落ちる。電気の使いすぎを制御。 - 漏電ブレーカー(漏電遮断器)
漏電を感知すると作動し、感電や火災を防止。 - 安全ブレーカー(配線用遮断器)
各部屋や設備ごとに設置され、過電流やショートから回路を守る。
👉 この3種類が組み合わさって、私たちの生活を安全に支えています。
2. ブレーカーは交換が必要?
ブレーカーも精密な電気機器のひとつであり、永遠に使えるわけではありません。
メーカーの目安では 耐用年数はおよそ15〜20年 とされています。
長期間使用すると内部部品が劣化し、以下のような不具合が起きることがあります。
- 正常な負荷でも 頻繁に落ちる
- 焦げ臭いニオイ がする
- 本来落ちるべき状況で 落ちない(非常に危険!)
- 外観に 変色やひび割れ が見られる
これらは寿命や劣化のサインです。
3. ブレーカー交換の目安・タイミング
ブレーカーを交換すべきタイミングには、いくつかの具体的な目安があります。
(1)使用年数が15〜20年以上
設置から20年近く経過している場合は、見た目に異常がなくても交換を検討しましょう。
(2)頻繁にブレーカーが落ちる
家電の使用状況に問題がないのに何度も落ちる場合、内部の劣化が原因かもしれません。
(3)漏電ブレーカーがよく作動する
漏電そのものが原因の場合もありますが、ブレーカーの誤作動の可能性もあります。点検が必要です。
(4)分電盤のリニューアル時
古い分電盤ごと交換するケースでは、ブレーカーもすべて新しいものに取り替えられます。
(5)電気容量を変更する場合
オール電化やエアコンの増設で契約容量を上げる場合、新しいブレーカーが必要になります。
4. ブレーカーを交換しないとどうなる?
劣化したブレーカーを使い続けると、以下のようなリスクがあります。
- 過電流を遮断できず、配線が焼けて火災 に発展する
- 漏電を感知できず、感電事故 の恐れがある
- 突然の停電で、店舗やオフィスでは 営業に支障 が出る
👉 ブレーカーは「落ちるとうるさい存在」ではなく、「命と財産を守る最後の砦」なのです。
5. ブレーカー交換は自分でできる?
結論から言えば、資格のない人が交換するのはNG です。
ブレーカーの交換は電気工事士の資格が必要であり、感電や火災のリスクも伴います。
DIYでの交換は非常に危険なので、必ず専門業者に依頼しましょう。
6. 交換費用の目安
ブレーカー交換の費用は、種類や工事内容によって異なります。
- 単体交換:1〜3万円前後
- 分電盤ごと交換:5〜15万円前後
- 容量変更を伴う工事:10万円以上
(※あくまで目安。建物の規模や状況により変動します)
7. まとめ
ブレーカーは普段あまり気にされませんが、家庭や店舗を守る非常に重要な装置です。
- 交換の目安は15〜20年
- 頻繁に落ちる、焦げ臭い、外観の劣化は危険信号
- 放置すると 火災・感電事故のリスク
- 交換は 必ず電気工事士に依頼
もし分電盤を開けて「古そうだな」と思ったら、一度点検してもらうことをおすすめします。
安全で快適に電気を使うために、ブレーカー交換のタイミングを意識してみてください。